感染性胃腸炎について
めっきり春の気配を感じる頃となりました 😀
当院では、2月頃より感染性胃腸炎の患者さんが目立つようになりました。胃腸炎といえばテレビでも食中毒や集団感染でよく話題になる、ノロウイルスが有名です 🙁
ノロウイルスによる胃腸炎や食中毒は特に冬から春に流行し、感染力が強く、年齢問わず発症します。「ノロウィルス」と聞くと特別な病気!?と感じる方も多いと思いますが、実はインフルエンザなどと同様にありふれた病気のひとつで、ほとんどは軽症で自然に治る場合がほとんどで過度に心配する必要がありません。
ただし、小さなお子さんは脱水症状などで悪化しやすいため、今回は実際診療でお話する療養のポイントをお知らせします。
- ノロウイルスに効果のある特別なお薬はありません。お子さんの療養ポイントはいかに脱水や低血糖状態を回避するかになります。
- 嘔吐するからといって、半日以上飲んだり食べさせない状態はよくありません。脱水や低血糖状態を引き起こさないように、症状が落ち着いたら少量(10~20cc)を5~10分程の間隔で細かく水分を与えて下さい。「少量頻回」がポイントです。1時間程吐かない状態でしたら欲しがる分与えて大丈夫です。その後はゼリーやコーンスープ、さらにお粥やうどんなど状態をみてすすめて下さい。
- 水分の種類ですが、水分=水やお茶と思われがちですが、食事が十分とれていない状態でしたら、脱水や低血糖状態回避するためにも、水分や塩分、糖分のバランスから経口補水液(代表的なものはアクアライト、OS-1など)がベストです。経口補水液の味が好まないお子さんでしたら、ジュースや味噌汁の上澄みなどを試してみて下さい。また、母乳、ミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合は、それをそのまま飲ませて大丈夫です。
- 大人と違って小さいお子さんは胃腸炎による脱水や低血糖状態の進行が早く、半日以上まともに水分がとれない、ぐったりしていつもの元気がない、顔色が悪い、おしっこの量が少ない、などの症状がみられた場合は注意が必要です。その際は是非受診を考えて下さい。また、夜間などで救急受診の判断に迷う場合は「♯8000」への電話相談がおすすめです。専門医や看護師さんが対応してくださいます。
- ノロウィルス流行しているので症状があれば検査をしなければいけないわけではありません。それは、ノロウィルスと判明したところで特別な治療はないからです。ただし、比較的症状がひどくなりやすい3歳未満や高齢者はノロウィルス検査の保険適応となっております。症状がある保険適応の患者さん皆さんを一律に検査することは通常なく、患者さんの病状や集団感染の原因確認などを考慮して医師が判断して検査しています。
- 登校・登園の基準は、熱がなく嘔吐や下痢などの症状が治まり、元気があり普段の食事ができる状態であれば可能です。これはノロウィルス含め、他の一般的な胃腸炎に共通です。
以上の点を参考にお子さんが胃腸炎になった場合は対応して下さい。また、ご心配なことがあればお気軽に当院へご相談ください 😉
どらえもん 監修カツオ院長